ねえねえ、トラえも〜ん。この前、勤めている会社でストックオプションという制度で株をもらったよ。嬉しい〜。
それは良かったね。でも、株の取得や売却によって税金が掛かることがあるから確認した方がいいよ。
え〜、そうなの?何だか難しそうだね。。
では、まずストックオプションのことから説明していくね。ストックオプションには3つの種類があるんだ。
ストックオプションとは?
ストックオプションとは、従業員や取締役が勤めている会社から株式をあらかじめ決定した価格で取得できる権利のこと。将来、株価が上昇した時点でストックオプションの権利を行使し、会社の株式をあらかじめ決定した価格と株価上昇分の価格との差が、利益として得られるという報酬制度です。
ストックオプションの種類 | 主な要件 | ストック・オプション取得時 | 権利行使時 (給与所得課税等) | 株式譲渡時 (譲渡所得課税) | |
① | 税制適格ストックオプション | ・会社法に定められた無償発行であること ・譲渡禁止規定があること ・付与契約時の時価以上の行使価格を設定 | 課税なし | 課税なし | 課税あり |
② | 税制非適格ストックオプション | ①の税制適格要件を満たしていない無償のストックオプション | 課税なし | 課税あり | 課税あり |
③ | 有償ストックオプション | 権利付与したときの株価で新株予約権を発行 (この時点で将来、新株を購入しなければならない条件) | 課税なし | 課税なし | 課税あり |
①税制適格ストックオプション
会社法に定められた無償発行であること、譲渡禁止規定があること、付与契約時の時価以上の行使価格を設定することなど、ストックオプション税制のいくつかの要件を満たしたストックオプションを「税制適格ストックオプション」といいます。税制適格ストックオプションは、課税対象になるのは株式譲渡時だけで、権利行使時には課税されません。
売却時株価✖️株数(譲渡価格)-【権利行使価格✖️株数➕売却手数料】= 譲渡所得(課税対象)
譲渡所得は、申告分離課税で譲渡益に対して20%(所得税15%、住民税5%)と復興特別所得税が課税されます。
②税制非適格ストックオプション
税制適格ストックオプションに該当しない、無償のストックオプションを「税制非適格ストックオプション」といいます。税制適格ストックオプションは、権利行使後に取得した株式の譲渡時点だけでなく、ストックオプションの権利行使時も課税される点に注意が必要です。
(行使時株価 - 権利行使価格)× 株式数 = 所得金額
売却時株価✖️株数(譲渡価格)-【権利行使価格✖️株数➕売却手数料】= 譲渡所得(課税対象)
権利行使時には、権利行使価格よりも行使時株価が高い場合に、差額分が所得金額として課税対象(給与所得なので源泉徴収の対象)になります。また、譲渡時の税金は、税制適格ストックオプションのときと考え方は同じとなります。取得費は権利行使価格となり、譲渡時に利益があれば確定申告が必要です。ただし、権利行使後に特定口座(源泉徴収あり)に株式を入庫した場合は、確定申告は不要です。
③有償ストックオプション
有償ストックオプションは、従業員や取締役が勤めている会社から株式をあらかじめ決定した価格(発行価格)で購入できるストックオプションをいいます。税制適格ストックオプションや税制非適格ストックオプションのように無償で付与されるものではないため、給与とはみなされません。よって、ストックオプションの権利行使時に課税されることはありません。課税されるのは、権利行使後に取得した株式を譲渡したときです。
売却時株価✖️株数(譲渡価格)-【発行価格✖️株数➕売却手数料】= 譲渡所得(課税対象)
なるほど、ストックオプションといっても大きく3つの種類があるのね。私の場合は、会社からもらった資料を見ると②税制非適格ストックオプションだったわ。
のびかちゃんの場合は権利行使した時と株を売却した時に、それぞれ課税対象となるよ。
え〜結局、確定申告が必要ってことなの?
まず権利行使の後に、権利行使代金、納税資金が必要となる。給与所得として源泉徴収で課税されるんだ。ただし、あくまでもみなし利益と言われ、本来の給与と合算した給与所得に対して追加納税となる可能性が高い。だから確定申告が必要な場合が多いんだ。
なるほど、権利行使した翌年に確定申告は基本必要ということね。まだ、利益になっていないのに税金はかかるのね。。
あと売却した時の譲渡益は、特定口座(源泉徴収あり)に株式を入庫した場合は、基本的には確定申告は必要ないよ。
私は元々使っている証券会社の特定口座(源泉徴収あり)に株を振替したから、売却後は確定申告しなくても大丈夫ね。
人によって様々なケースがあるから、もし不安な場合は自治体で定期的に開催している「税理士による無料申告相談」に参加してみるのもオススメだよ。